エンジン不調の意外な落とし穴とその対処方法のお話

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まいどです!

メルマガでおなじみ、WEB製作部のアンナさんが最近運動のため通勤を車から自転車に変えたのを見て、僕も自転車通勤に変えようかと思いつつも踏み切れなクリスです。

いやー、自転車は持ってるんですよ。FELTってブランドの入門向けロードバイクなんですが、数年前に購入して殆ど乗らずに放置しちゃってます。

←年式とカラーリングが違いますが、FELTのF85ってチャリンコです。

乗り慣れて居ないせいなのか、ロードバイクに乗ると必要以上に頑張って漕いでしまって疲れちゃうんですよね。自宅からオフィスまで15分くらいの距離でハァハァと息切れしちゃいます。

体力が無さ過ぎて笑えるくらいです(;´Д`)

さてさて、本日のテーマはエンジン機器の不調に関する意外な落とし穴についてです。

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刈払機や、背負式の噴霧機、ヘッジトリマーなんかの小型エンジンを搭載した農機具で、エンジンの始動も吹き上がりも問題ないけれど、使い始めてしばらく経つと急にエンジンが止まっちゃう症状が発生することがあります。

点火系の不良だったり熱の問題だったり色々と考えられる可能性はあるのですが、意外なアイツが悪さをしてることもままあります。

それがこれ。

みなさんご存知「燃料タンクキャップ」です。

一見エンジンの不調に全然関係なさそうな部品なので結構見落としがちなんですが、じつはタンクキャップが原因で不調に陥る事もあるんです。

外から見ると何の変哲もないただの蓋なんですが、ひっくり返して見てみましょう。

おやおや? 何やら白い部品がくっついてますね。

ただ単純にタンクに蓋をするだけなら必要なさそうな部品ですよね。もちろん不要な部品をわざわざメーカーさんが取り付けてるはずがありません。

メーカーやエンジンの機種によって形状は様々ですが、大体の場合タンクキャップの内側に何かしら部品がついています。

この白い部品、何だと思います?

 

これ、実はブリーザーという部品で燃料タンクの内圧を調整してくれる部品なんです。

エンジンを作動させるとその分燃料がタンクから減っていきますよね。その燃料が減った分タンクに空気を入れてあげないと、タンク内に負圧が掛かってキャブレターが上手く燃料を吸い上げられなくなるんですよね。

ブリックパックのコーヒー飲料

牛乳とか、野菜ジュースとか、ストローを挿して飲むブリックパックの飲料を思い浮かべてもらうと分かりやすいかと思います。

ストローで中の飲み物を吸い上げると吸い込みが重くなったり、パックがポコッと凹んだりしますよね。それと同じ事が燃料タンクでも起こるんですね。

燃料タンクから燃料が減って負圧がかかった時、このブリーザーが減った燃料の分だけ空気を取り込んで、タンク内の圧力を一定に保ってくれてるんですね。要するに燃料タンクの空気取込み口だと思ってください。

エンジンの始動も吹き上がり問題ないのにエンジンが止まってしまう症状が発生した場合には、止まったらすぐにタンクキャップを一度開け、もう一度しっかりと締め直してエンジンを始動してみましょう。それで正常に再始動出来てエンジンも吹き上がるようであれば、犯人はこのタンクキャップに付いてるブリーザーです。

ブリーザーの穴が詰まっていたり、中の部品が張り付いてしまっていたりとブリーザーの形状によって原因は様々ですが、大抵の場合は分解して軽く掃除してあげれば直ります。

今回サンプルの写真はホンダの名作エンジンGX25の燃料タンクキャップですが、どのエンジンでもやることは同じで「バラして清掃」なので参考にはなるかと思います。

ではやってみましょう。

まずは分解!

分解って聞くと大仰ですが、ほんと簡単な部品なので心配しなくて大丈夫です。

大体の場合マイナスドライバーでパッキンをコジッて外すか、ブリーザーを掴んでタンクキャップを緩む方向に回せば分解できます。

分解すると、タンクキャップ、パッキン、ブリーザーの3つで構成されていることが殆どです。

清掃してみよう!

ブリーザーには必ず空気の通り道がついています。

その通り道にゴミが詰まったり、通り道の部分が張り付いてしまったりするのですが、そこを針金や精密ドライバー等で優しく突付いてあげるだけでOKです。

大抵の場合ブリーザーの中心に穴が空いていたり、管楽器のリードに似た形のゴム部品が入っていたりします。GX25の場合は後者ですね。

こんな感じに細いマイナスドライバーや針金を通してゴムの張り付きを剥がしたり、ゴミを突付いて排出します。今回は分かりやすいように分解しましたが、ここまで分解しなくて大丈夫です。

はい、終わり。

これだけです。

あとは元通り組み立てるだけ!

もしエアーコンプレッサーをお持ちであれば分解せずにタンクキャップ全体をエアブローしてあげるだけでも直ったりします。

とにかく燃料タンクへの空気取込み口がちゃんと通ればいいんです。

ただ、ブリーザーを壊すとタンクから燃料が漏れるようになるのであまり無理はしないようにご注意くださいね!

またチェンソーや年式の古い刈払機などブリーザーが別体の場合があります。その場合はいくらタンクキャップを清掃しても症状が解消しないのでこちらもまたご注意を。

あとがき

機械の不調って今回の燃料タンクキャップのように、ほんとちょっとした事で解消する場合もあります。

例えば「エンジンが掛からない」と言う症状でも、

・新鮮な燃料への入れ替え

・エアクリーナーエレメントの清掃

・点火プラグの緩み確認や清掃、交換

・キャブレター取り付けネジの緩み確認

・ON/OFFスイッチの清掃

・燃料フィルターの清掃

などなど、パッと思いつくだけでもユーザー様の元で出来るメンテナンスは沢山あります。

 

どれも本当に簡単な事なので、こういうのはドンドン公開していければと思います。

ただ、もしセルフメンテナンス中に不安を感じたらすぐに作業を止めてください。機械が壊れるくらいなら笑い話になりますが、それによって事故が発生してしまっては元も子もありませんので。

それでは、また次回。

 

 

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