農機具のエアクリーナーエレメントを清掃してみよう!

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まいどです!アグリズクリスです。

今回は久しぶりのメンテナンス系コラムをお届け!

刈払機、チェンソーにはじまり耕うん機、モアーなど諸々のエンジン機器で活用できる、農業機械全般のエアクリーナーエレメントの清掃方法についてです。

エンジン機器には必ずついているこの「エアクリーナーエレメント」、じつはこまめな清掃が必要で、清掃しないとエンジンの調子がわるくなったり、場合によっては重大な故障を招くこともあります。

こまめなエレメント清掃で機械を長持ちさせちゃいましょう!

エアクリーナーエレメントって何?

まずは普段あまり農機具に触れない方向けに軽くエレメントについてのお話を。

エンジンを搭載している農機具では、エンジンへの空気の取入口に、吸い込んだ空気のゴミを濾過するフィルターの役目を果たすエアクリーナーエレメントが付いています。

機械によって形状や構造は様々ですが、共通してキャブレター周辺に設置されているエアクリーナーボックスの中にエアクリーナーエレメントが取り付けられています。

例えば上は刈払機ですが、エンジン側面の赤いツマミが付いた黒い箱がエアクリーナーボックスで、蓋を外すと見えるドーナツ状のグレーのスポンジがエレメントです。

例えばこれは自走式草刈機。

こちらもエンジンの側面に飛び出した黒い筒が付いた物体がエアクリーナーボックスで、内部にはエレメントが取り付けられています。

例えばこれはエンジンブロワー。

エンジン後部のオレンジのつまみが付いたカバーを外すとゴムパッキンのついた板状のエレメントが取り付けられています。

 

とまぁ、こんな風にエンジン機器にはエンジン内部にゴミを吸い込まないように空気の濾過フィルターがついて居るのですが、これをエアクリーナーエレメントと呼びます。このエレメントは空気洗浄機やエアコンのフィルター同様、定期的に清掃してあげないと目詰まりを起こしてエンジンが不調に陥ります。

 

エレメントの表面に砂やゴミなどの付着が目立ち、目詰まりを起こしていそうな場合は清掃してみましょう。

まずはエレメントを取り外そう!

今回はいい感じにエレメントが汚れた小型の耕うん機が修理場にあったのでそちらのエレメント清掃を行ってみましょう。

問題の機械がこちら。

すでに蓋を外した状態ですが、画像中央に見える長円系の汚れた部品がこの機械のエアクリーナーエレメントです。

耕うん機や自走式草刈機など、砂塵の中で使用する機械の場合にはエアクリーナーエレメントが二重に配置されている場合が多いです。

 

 

取り外すと蛇腹状の紙で出来たエレメントと、輪っかのスポンジで出来たエレメントに分割できました。

農業機械は場合スポンジ状のエレメントが殆どですが、砂塵の多い場所で使用する機械の場合にはこういった蛇腹状の紙のエレメントや、オイルバス式というゴミを吸着するためのオイル貯めが付いているタイプもあります。それぞれ清掃方法が異なるのでご注意くださいね!

 

 紙製エレメントの清掃方法

これはホントに簡単です。

というかデリケートな部品なので簡単にしかできません。

表面に付着したホコリや砂を軽く取り除くだけです。エアコンプレッサーをお持ちでしたら軽くエアブローしてください。

エアコンプレッサーをお持ちで無ければ手でササッと払うか、使い古して柔らかくなった歯ブラシなどで軽く撫でるようにゴミを落としてください。紙製は過度に力を加えると破れるので本当に簡単でOKです。もしどうしても汚れが取れなければ新しいものと交換する事をオススメします。

また、紙製のエレメントは水分に弱いので、決して水洗いしたり水分を与えないようご注意ください。

 

スポンジ製エレメントの清掃方法

お次は本命のスポンジ製のエレメントの清掃です。

汚れが軽度であれば手で払ったりエアブローでOKですが、それでも汚れが取れない場合には洗浄します。

灯油やガソリン、混合油などを少量でいいので容器にうつし、その中にエレメントを浸しちゃいます。

ひたひたと。

洗浄油の量はエレメントが浸る位でOKです。

※今回は修理場で洗浄用に置いてある「洗い油」を使用しているため油の色が汚いです(笑)

※火の気には充分注意して作業してください。

浸したら今度は、手で絞ります。あまり強く絞りすぎるとエレメントが伸びたり破れたりするので軽くでいいです。これを2、3回ほど繰り返して、仕上げにまたまた絞りきります。

擦ったり捻ったりするとこれまたエレメントが破れるので軽く絞るだけでOKです。エレメントを絞って油分が切れたらエアブローするか日陰に置いて乾燥させます。(ホントはウエスなどで挟んで押さえながら油を絞り出した方がエレメントへのダメージが少ないのですが、価格もそう高くないエレメントにそこまで神経質にやる必要はないかなと。)

洗浄作業としてはたったこれだけなのですが、ご家庭では洗浄に使用した油の処分に困りますよね。

その場合は裏技としてパーツクリーナーで洗浄しちゃいます。

ただ、パーツクリーナーは攻撃性が高いので出来ることなら使用は避けた方が無難です。

まぁ、なんというか。ちょっと邪道な裏技とでもお考え下さい。

 

これまた修理場に古い刈払機のエレメントが捨てられていたので、パーツクリーナーで洗ってみました。

シューッと少し滴るくらいパーツクリーナーを吹き付けて、灯油や洗油での洗浄と同じく軽く絞ります。

ここでちょっと注意が。洗浄後はしっかりとパーツクリーナーを乾かしてください。パーツクリーナーが乾いていない状態で機械に取り付けて使用しちゃうとエンジン内部にパーツクリーナーを含んだ空気が取り入れられてしまい、エンジンに悪影響を及ぼす場合があります。

絞ったらエアブローするか風通しのいい場所でしっかり乾燥させてください。

はい、キレイになりました。

あとはしっかり乾いているのを確認して取り付けて完了です。

 

 

スポンジタイプのエレメントの清掃はこんな感じです。

で、農機具の場合スポンジタイプのエレメントは「乾式」とよばれる乾燥した状態で使用するものが殆どなのですが、一部のエンジンではオイルを染み込ませた「湿式」のスポンジタイプが採用されている場合があります。

エレメントを取り外した時に手で触ってエレメント全体がオイルでしっとりと濡れている場合には湿式なので、洗浄後にはエンジンオイルを表面に軽く塗布してから取り付けてください。

オイルバス式のエアクリーナー清掃方法

自走式草刈機や耕うん機などの砂塵の多い場所で使用する機械の中には「オイルバス式」と呼ばれるエアクリーナーを採用している場合があります。

こういうエアクリーナーの下部にオイルを貯めているタイプですね。

このタイプは下側に付いている半透明のオイルバスを取り外して古いオイルを捨て、パーツクリーナーや灯油、ガソリン等で洗浄し、オイルレベルの線まで新しいオイルを注ぐだけでOKです。

また、オイルバス式はスポンジタイプのエレメントと二段構えになっている事が殆どですので、オイルバスを外したついでにエアクリーナーボックス内に格納されているスポンジも取り外して洗浄するのがおすすめです。

写真のタイプだとオイルバスの上側、黒い筒の部分にエレメントが挿入されています。下向きに引っ張ると取り外せるので、汚れていれば洗浄してください。

 

まとめ

さてさて、メンテナンスコラム「エアクリーナーエレメントの清掃」編、いかがでしたか?

作業自体はとても簡単なので、ぜひお手持ちの機械のエレメントで清掃が必要な状態のものが無いかチェックしてみてください。

ただし、エレメントは洗浄の度に少なからずダメージは受けるので、あまり頻繁に洗浄しすぎないことと、劣化が見られるようであれば新品に交換することをオススメします。

エアクリーナーエレメントが劣化しているとエンジン内部に砂塵やホコリなどの異物を吸い込んでしまいエンジンの寿命が大幅に短くなってしまいます。また、エレメントが目詰まりしていると高回転域の吹き上がりが悪くなったり、エンジン内部に燃料を吸い込み過ぎてカーボン(煤)が溜まりやすかったりと、状態の悪いエレメントは様々な故障、不調の原因となります。

まずはエレメントの日常的な点検から! こまめなメンテナンスで機械の寿命をのばしちゃいましょう!

それでは今回はここまで!

また次回のメンテナンスコラムにご期待ください!

 

 

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