
「防風ネットは、2mm目と4mm目のどちらを選べばよいのか」
「野菜や果樹を守るには、何m幅のネットが必要なのか」
「青や白、黒など、色による違いはあるのか」
防風ネットを選ぶときは、このような点で迷いやすいものです。
防風ネットは、網目が細かいほど優れているわけではありません。また、作物名だけを見て商品を選ぶのではなく、実際の作物や樹木の高さ、圃場の奥行き、風向、支柱の強度まで確認する必要があります。
この記事では、防風ネットの目合い・高さ・色・設置方法について、購入時に判断しやすい順番で解説します。
防風ネットの幅は、作物名だけでなく、実際の作物、樹木、棚の最上部を基準に選びます。
特に果樹は、同じ樹種でも、樹齢、剪定方法、仕立て方によって高さが異なります。作物名は目安とし、購入前に実際の高さを測ってください。
| 作物・栽培方法 | 目合いの基準 | ネット幅の目安 | 選び方 |
|---|---|---|---|
| キャベツ・レタス・ホウレンソウ・タマネギなど | 4mm目 | 1m幅 | 生育後の葉の最上部より高くする |
| ナス・ピーマン・枝豆など | 4mm目 | 1.5~2m幅 | 収穫期の草丈や支柱の高さを確認する |
| トマト・キュウリ・オクラ・トウモロコシなど | 4mm目 | 2m幅 | 支柱や誘引の最上部を基準にする |
| ブドウ・ナシなどの棚栽培 | 4mm目 | 2~3m幅 | 地面から棚面までの高さを測って選ぶ |
| 樹高2~3m程度の果樹 | 4mm目 | 3m幅 | 樹冠の最上部より低くしない |
| 樹高3~4m程度の果樹 | 4mm目 | 4m幅 | 実際の樹高を測り、余裕のある幅を選ぶ |
| 樹高4mを超える果樹園 | 4mm目を基準 | 4~5m以上 | 支柱・基礎・張線を含む防風施設として検討する |
| 砂地・海岸沿い・土ぼこりが多い場所 | 2mm目 | 対象物の高さに合わせる | 防風と砂・土ぼこり対策を兼ねる |
| パイプハウス周辺 | 4mm目を基準 | 現場条件による | ハウスの高さ、距離、風向、支柱強度を確認する |
※上表のネット幅は、公的資料に示された目合いの用途や防風効果の範囲をもとに、購入時の目安として整理したものです。同じ作物でも品種、仕立て方、生育状況によって高さが異なるため、購入前に実際の作物、樹木、棚の高さを測ってください。
迷った場合の基本
一般的な畑や果樹園で、作物への強風をやわらげたい場合は、まず4mm目を基準にします。
砂や土ぼこり、雪など、風と一緒に飛んでくるものも抑えたい場合は、2mm目を候補にします。
そのうえで、作物、樹木、棚の最上部より低くならない幅を選びましょう。
目合いが決まったら、必要な幅を選びましょう
アグリズの商品一覧では、2mm目・4mm目を選んだあと、設置する高さに合う幅から商品を探せます。
一般的な防風対策には4mm目
野菜の倒伏、果樹の枝折れ・落果、ハウス周辺の防風などには、まず4mm目を基準にします。
砂・土ぼこり対策も重視するなら2mm目
海岸沿い、砂地、乾いた土が飛びやすい場所など、防風に加えて飛散物も抑えたい場合に検討します。
防風ネットは何を基準に選ぶ?
防風ネットは、次の順番で選ぶと整理しやすくなります。
1.守りたい作物・施設を確認する
まず、何を風から守りたいのかを確認します。
- 低い露地野菜
- 背の高い露地野菜
- 棚栽培の果樹
- 立木仕立ての果樹
- 定植直後の苗
- パイプハウス
- 砂や土ぼこりの影響を受ける圃場
同じ防風ネットでも、キャベツを守る場合と、樹高3mの果樹を守る場合では、必要な幅や支柱の強度が異なります。
2.作物や樹木の最上部を測る
防風ネットを縦に設置する場合、商品の「幅」が設置時の「高さ」になります。
幅1mの商品を縦に張ると高さ約1m、幅2mの商品を張ると高さ約2mになります。
ネット幅の基本
守りたい作物・樹木・棚の最上部より、ネットが低くならない幅を選びます。
作物より低いネットを設置すると、ネットの上を通過した風が作物の上部へ直接当たり、十分な防風効果を得られない可能性があります。
購入前には、現在の高さだけでなく、収穫期や成木時にどの程度の高さになるかも確認してください。
3.目合いを選ぶ
通常の防風対策では、4mm目を基準にします。
砂、土ぼこり、雪など、風と一緒に飛んでくるものも抑えたい場合は2mm目を候補にします。
4.必要な長さと固定方法を確認する
ネットの幅だけでなく、次の点も確認します。
- 風が吹いてくる方向
- 守りたい圃場の横幅
- 圃場の奥行き
- ネットの端からの風の回り込み
- 支柱の高さと間隔
- アンカーやロープの強度
- 地面との隙間
- 常設するか、季節ごとに取り外すか
防風ネットは、ネット単体では使用できません。支柱、張線、固定具、アンカーを含めて設置方法を検討する必要があります。
防風ネットは風を完全に止めるものではない
防風ネットは、風を完全に遮断する壁ではありません。
ネットの網目を通して風を適度に逃がしながら、風速を弱める資材です。
風をほとんど通さない壁のようなものを設置すると、その直後では風が弱くなっても、上部を越えた風が巻き込み、乱れた風が発生することがあります。
また、風を通しにくくするほど、ネットと支柱にかかる風圧も大きくなります。
細かい目合いほど優れているとは限りません
必要な防風性能、風を弱められる範囲、支柱への負担のバランスを考えて選びます。
2mm目と4mm目の違い
一般的な農業用防風ネットでは、2mm目や4mm目の商品が多く販売されています。
| 目合い | 主な用途 |
|---|---|
| 4mm目 | 一般的な農作物の防風対策 |
| 2mm目 | 防風に加え、防砂・防雪・土ぼこり対策も行いたい場合 |
4mm目の防風ネット
4mm目は、一般的な防風用途の基準になる目合いです。
向いている用途
- 野菜の倒伏を抑えたい
- 葉や茎の損傷を抑えたい
- 枝折れを減らしたい
- 果実の擦れ傷を減らしたい
- 落果を抑えたい
- ハウスに吹き付ける風を弱めたい
4mm目は、風を適度に通しながら、風の勢いを弱めます。通常の畑や果樹園で目合いに迷った場合は、まず4mm目から検討するとよいでしょう。
通常の防風対策用の商品を探している方へ
2mm目の防風ネット
2mm目は、4mm目より目が細かく、風だけでなく、砂や土ぼこりなどの飛散も抑えたい場合に向いています。
向いている用途
- 海岸に近い畑
- 砂地の圃場
- 乾いた土が飛びやすい畑
- 道路や空き地から土ぼこりが飛んでくる場所
- 定植直後の苗を風と飛砂から守りたい場合
- 防雪・防砂対策を重視する場合
ただし、目合いが細かい分、ネットが受ける風圧も大きくなります。
2mm目を選ぶ場合は、4mm目以上に、支柱の強度、支柱間隔、ロープ、アンカー、固定具を慎重に確認してください。
砂・土ぼこり対策も重視する方へ
防風だけが目的なら2mm目にする必要はある?
一般的な防風対策だけが目的であれば、必ずしも2mm目にする必要はありません。
2mm目は風を通しにくいため、設置条件によっては支柱や固定部への負担が増します。
風を弱めることが主目的→4mm目を基準にする。
砂・土ぼこり・雪も抑えたい→2mm目を検討する
とお考え頂くとわかりやすいかと思います。
作物・栽培方法別|防風ネットの選び方
キャベツ・レタス・ホウレンソウなどの低い露地野菜
キャベツ、レタス、ホウレンソウ、タマネギなど、草丈が比較的低い作物では、4mm目・幅1mを基本的な候補にします。
- 目合い:4mm目
- 幅:1m程度
- 設置位置:主に風が吹いてくる側
- 高さ:作物の最上部より高くする
幅1mで十分かどうかは、収穫時の作物の高さを基準に判断します。定植直後の小さな苗であっても、現在の苗の高さだけで選ばず、生育後の高さも考慮しましょう。
砂や土ぼこりが多い圃場では、同じ高さの2mm目も候補になります。
ナス・ピーマン・枝豆などの中程度の高さの野菜
ナス、ピーマン、枝豆などは、品種や仕立て方によって高さが変わります。
- 目合い:4mm目
- 幅:1.5~2m程度
- 高さ:収穫期の草丈や支柱より低くしない
幅1mでは、作物の上部がネットより高くなる可能性があります。設置前に、使用する支柱の長さや、予定している仕立て方を確認してください。
トマト・キュウリ・オクラ・トウモロコシなどの背の高い作物
背が高くなる作物では、ネットの高さが不足しやすいため注意が必要です。
- 目合い:4mm目
- 幅:2m程度
- 高さ:支柱や誘引の最上部を基準にする
トマトやキュウリは、作物本体だけでなく、誘引する高さまで考慮します。
トウモロコシも品種や栽培条件によって2mを超える場合があります。実際の草丈が2mを超える場合は、より高いネットや別の設置方法を検討してください。
ブドウ・ナシなどの棚栽培
棚栽培では、作物名ではなく、棚面の高さを基準にします。
- 目合い:4mm目
- 幅:2~3m程度
- 高さ:棚面より低くしない
- 設置位置:棚の風上側または園地外周
棚面が地上約1.8~2mの場合は、幅2mが候補になります。
ただし、地面の高低差やネットの固定位置によって、有効な高さが下がることがあります。棚面と同じ高さぎりぎりではなく、可能であれば余裕を持たせましょう。
果樹用の防風ネットは樹種ではなく樹高で選ぶ
果樹用の防風ネットは、「柿だから4m」「柑橘だから3m」というように、樹種だけで幅を決めることはできません。
同じ果樹でも、次の条件によって樹高が変わるためです。
- 樹齢
- 品種
- 剪定方法
- わい化栽培かどうか
- 開心自然形、垣根仕立てなどの仕立て方
- 園地の傾斜
- 地面からネットを固定する位置
購入前に、園内で最も高い樹の樹冠上部を測り、その高さ以上になるネット幅を選びます。
樹高2~3m程度の果樹
柑橘、桃、梅、スモモ、イチジク、りんごなどを低く仕立てており、樹冠の最上部が3m以内の場合は、4mm目・幅3mを基本的な候補にします。
- 目合い:4mm目
- 幅:3m
- 対象:樹高2~3m程度
- 高さ:樹冠の最上部より低くしない
ただし、ネットの幅が3mでも、固定方法や地面との隙間によって、実際の設置高さは3mより低くなることがあります。
樹高が3mぎりぎりの場合は、4m幅を使用して必要な高さに調整する方法も検討してください。
樹高3~4m程度の果樹
柿、柑橘、梅、桃、りんごなどで、樹冠の最上部が3mを超える場合は、4mm目・幅4mを候補にします。
- 目合い:4mm目
- 幅:4m
- 対象:樹高3~4m程度
- 注意:支柱・基礎・張線を含めて検討する
この高さになると、家庭菜園用の細い支柱へ簡単に固定する方法では、十分な強度を確保できない可能性があります。
樹高4mを超える果樹園
樹高4mを超える果樹園では、4~5m以上の防風施設が必要になる場合があります。
ただし、これは、すべての果樹園に5m幅のネットを使用すればよいという意味ではありません。
高さのあるネットほど受ける風圧が大きくなるため、4mを超える場合は、市販ネットを簡易的に張るのではなく、支柱、基礎、張線、アンカーなどを含む防風施設として検討します。
高さのあるネットは施設として検討
広い果樹園、傾斜地、強風の常襲地域では、地域の農業改良普及センター、施工業者、資材メーカーなどへの相談も検討してください。
パイプハウス周辺で使用する場合
パイプハウス周辺の防風対策では、4mm目を基本的な候補にできます。
ただし、ハウスの場合は、「ハウスと同じ高さのネットを買えばよい」と単純には決められません。
- ハウスの軒高・棟高
- ハウスとネットの距離
- 主な風向
- 周辺の建物や地形
- ネットの高さ
- ネットの密閉度
- 支柱や基礎の強度
- 想定する風の強さ
防風ネットは、ハウス本体の補強に代わるものではありません。
台風対策では、防風ネットに加えて、ハウスバンド、筋交い、妻面、基礎、被覆材、出入口など、施設本体の点検と補強も必要です。
ネットの高さで守れる範囲が変わる
防風ネットは、ネットのすぐ後ろだけでなく、風下側の一定範囲の風を弱めます。
一般的には、風下側でネット高さの8~10倍程度が、防風効果を見込む基本的な範囲の目安になります。
| ネットの設置高さ | 風下側で効果を見込む基本範囲 |
|---|---|
| 1m | 約8~10m |
| 2m | 約16~20m |
| 3m | 約24~30m |
| 4m | 約32~40m |
例えば、奥行き50mの果樹園に高さ3mの防風ネットを1列だけ設置した場合、園地の一番奥まで同じ防風効果を得られるとは限りません。
高さ3mの場合は、風下側約24~30mを基本的な目安とし、それより奥まで守りたい場合は、2列目の設置などを検討します。
効果範囲は保証値ではありません
実際の効果は、風速、風向、目合い、密閉度、張り方、地形、傾斜、周辺の建物、地面との隙間などによって変わります。
防風ネットの長さ・設置場所・固定方法
防風ネットの長さはどう決める?
防風ネットの長さは、守りたい作物が植えられている範囲だけで決めないようにします。
ネットの端では風が回り込みやすいため、作物の列と同じ長さでは、列の端に風が直接当たる可能性があります。
長さの基本
守りたい範囲より、左右に余裕を持たせた長さを選びます。
例えば、横幅20mの作物列を守る場合、ネットも20mちょうどにするのではなく、風向や圃場条件に応じて両端を延長します。
どの程度延長するかは、風向、地形、道路、水路、周囲の建物、農機や人の作業動線、支柱を設置できる場所によって異なります。
風向に対してできるだけ直角に設置する
防風ネットは、問題となる風が吹いてくる方向に対して、できるだけ直角に設置します。
西からの風が問題なら圃場の西側、海側からの風が問題なら海側に設置するのが基本です。
ネットを風向に対して斜めに設置すると、風がネットに沿って流れたり、端部から回り込んだりして、十分な効果を得られない場合があります。
風向を確認する方法
- 作物が普段どちら側へ倒れるか
- 防風林や周辺樹木の枝がどちらへ伸びているか
- 土ぼこりや落ち葉がどちらから飛んでくるか
- 地域の気象データ
- 台風時に被害が出やすい方向
- 周辺農家の設置事例
季節風と台風では、風向が異なる場合があります。どの風による被害を防ぎたいのかを明確にしてから、設置位置を決めましょう。
地面との隙間はできるだけ小さくする
ネットと地面の間に大きな隙間があると、その部分へ風が集中して通過します。
低い作物や定植直後の苗を守る場合、地面付近の隙間は特に大きな影響を与えます。
ただし、ネットを直接地面へ接触させると、泥、雑草、草刈り、排水、農作業などの影響を受けることがあります。必要な作業性を確保しながら、風が大きく抜けない設置方法を検討してください。
支柱・ロープ・アンカーも一緒に選ぶ
防風ネットを購入するときは、ネット本体だけでなく、設置資材も確認します。
- 主柱
- 中間支柱
- 控え柱
- 張線
- ロープ
- 結束バンド
- ネット固定具
- アンカー
- 基礎
- 補修用資材
特に、高さがあるネットや2mm目のネットは、大きな風圧を受けます。
支柱の間隔を広げすぎたり、細い支柱を使用したりすると、ネットより先に支柱が曲がる、抜ける、倒れる可能性があります。
また、ネットを強く張りすぎると、風圧が支柱や固定部へ集中する場合があります。ネットが大きくたるまない程度に張りながら、支柱、張線、アンカーで全体を支えることが重要です。
防風率・遮風率は高いほどよい?
防風ネットの商品には、「防風率」「遮風率」「減風率」などの数値が記載されている場合があります。
これらは、ネットによって風をどの程度弱められるかを判断する材料になります。
ただし、防風率40%の商品を設置すれば、圃場全体の風速が常に40%低下する、という意味ではありません。
実際の風速低下は、測定位置、ネットからの距離、風向、風速、ネットの高さ、地面との隙間、ネットの張り具合、周囲の地形や建物によって変わります。
また、商品によって測定条件が異なる場合があります。数値だけで単純に比較せず、目合い、材質、設置条件、支柱への負担と合わせて確認しましょう。
防風ネットの色はどう選ぶ?
防風ネットには、白、青、黒、緑、茶色など、さまざまな色があります。
色は景観だけでなく、主に次の点に関係します。
- ネット越しの明るさ
- 作物や地面にできる影の濃さ
- ネットの見えやすさ
- 周囲の景観へのなじみやすさ
- 光の反射・吸収の傾向
ただし、防風ネットの遮光率や防風性能は、色だけでは決まりません。
同じ色でも、目合い、糸の太さ、編み方、ネットの密度、使用されている樹脂や顔料、表面加工などが異なれば、性能も変わります。
白色・淡い色の防風ネット
白色などの淡い色は、光を反射・拡散しやすく、ネット越しが比較的明るく見える傾向があります。
作物への日照をなるべく確保したい場合や、ネットによる圧迫感を抑えたい場合の候補になります。
- 日照をできるだけ確保したい畑
- 果実の着色を重視する果樹園
- ネットによる影をできるだけ抑えたい場所
- 明るさを保ちたいハウス周辺
- 住宅や道路に近く、圧迫感を抑えたい場所
一方で、白色でも糸が太い商品や密度の高い商品は、遮光率が高くなる場合があります。「白だから光をよく通す」と判断せず、商品の遮光率を確認しましょう。
黒色などの濃い色の防風ネット
黒色などの濃い色は、光を吸収しやすく、白色などの淡い色に比べてネットの影が濃く見える傾向があります。
同じような目合いと構造の商品を比較した場合、黒色は遮光率が高い傾向がありますが、すべての商品に当てはまるわけではありません。
- 防風とあわせて、ある程度の日よけも行いたい場所
- ネット越しの視線を抑えたい場所
- 背景になじませ、ネット自体を目立ちにくくしたい場所
- 商品に表示された遮光率が栽培条件に合っている場所
果実の着色や日照量が重要な作物では、想定以上に光を遮らないか確認が必要です。
また、黒色のネット自体は日射を吸収しやすい傾向がありますが、それだけで作物周辺の温度が高くなるとは断定できません。実際の温度は、遮光率、風通し、作物との距離、設置位置などにも左右されます。
青色の防風ネット
青色は、農業用防風ネットで広く使用されている色のひとつです。
見た目の明るさは、白色と黒色の中間に感じられることが多く、畑の中でもネットの位置を確認しやすい色です。
- 一般的な露地野菜
- 果樹園
- 家庭菜園
- ネットの位置を目視で確認しやすくしたい場所
- 色に特別な条件がない場合
ただし、「青色だから防風性能が高い」「青色だから耐久性が高い」とは一概にいえません。防風性能や耐久性は、色よりも目合い、糸の太さ、材質、耐候加工などを確認して判断します。
緑色・茶色の防風ネット
緑色や茶色は、畑、果樹園、庭、住宅周辺の景観になじみやすい色です。
ネットを設置したときの見た目を重視する場合に選びやすい色ですが、色そのものに特別な防風効果があるわけではありません。
- 住宅に近い畑
- 庭や家庭菜園
- 観光農園
- 道路沿い
- 公園や施設周辺
- 景観への影響を抑えたい場所
緑色や茶色でも、商品によって遮光率は異なります。景観だけでなく、作物に必要な日照を確保できるかも確認しましょう。
色で防風効果は変わる?
防風効果を左右する主な要素は、色ではありません。
- 目合い
- ネットの密度
- 開口率
- 糸の太さ
- 編み方
- ネットの高さ
- ネットの張り方
- 地面との隙間
- ネットから作物までの距離
したがって、色を理由に2mm目・4mm目を決めるのではなく、まず使用目的に合った目合いを選びます。そのうえで、遮光率や景観を考慮して色を選びましょう。
防風ネットの色選びの目安
| 重視すること | 色の候補 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| 日照や明るさを確保したい | 白色・淡い色 | 商品ごとの遮光率を確認する |
| 一般的な農業用途で使用したい | 青色 | 色だけで性能を判断しない |
| 防風と同時に日よけも考えたい | 黒色・濃い色 | 遮光しすぎないか確認する |
| 周囲の景観になじませたい | 緑色・茶色 | 景観だけでなく遮光率も確認する |
| 果実の着色を重視したい | 遮光率の低い商品 | 色名ではなく表示数値で選ぶ |
色を選ぶ順番
- 防ぎたいものから2mm目・4mm目を選ぶ
- 作物の高さからネット幅を選ぶ
- 商品に記載された遮光率を確認する
- 必要に応じて景観や見えやすさから色を選ぶ
防風を主目的とする場合は、色よりも、目合い、高さ、支柱の強度を優先してください。
防風ネットの材質・加工も確認する
防風ネットには、主にポリエチレンなどの合成樹脂が使用されています。
商品を比較するときは、目合いや色だけでなく、次の仕様も確認しましょう。
- 耐候性
- 耐久年数の目安
- 紫外線対策の有無
- 周囲の補強加工
- ハトメの有無と間隔
- カットして使用できるか
- 切断後にほつれやすいか
- 常設向けか季節使用向けか
長期間屋外へ設置する場合は、紫外線、雨、風によって劣化します。
見た目に破れがなくても、糸が硬くなったり、固定部分が弱くなったりしている場合があります。定期的に状態を確認してください。
防風ネット選びでよくある失敗
目合いが細かいほどよいと思って選ぶ
2mm目は4mm目より細かいものを通しにくくなりますが、その分、風圧を受けやすくなります。通常の防風対策であれば、まず4mm目を基準にします。
現在の苗の高さだけで幅を決める
定植時には小さくても、収穫期には1m以上になる作物があります。現在の高さではなく、ネットを使用する期間中の最大高さを確認してください。
作物名だけでネット幅を決める
同じ果樹でも、樹齢や仕立て方によって樹高は異なります。作物名は目安とし、実際の高さを測って決めます。
圃場の奥行きを確認していない
防風効果は、ネットから離れるほど小さくなります。ネット高さの8~10倍を基本的な範囲として、圃場の奥まで届くか確認します。
ネットの長さが作物列と同じ
ネットの端部から風が回り込むため、作物列より左右に余裕を持たせる必要があります。
地面との隙間が大きい
ネットの下から風が抜け、低い作物や苗へ直接当たる可能性があります。
支柱と固定具を簡易的に済ませる
ネットを細かく、高くするほど、支柱にかかる負担は増加します。ネット本体だけでなく、支柱、張線、アンカーまで含めて選びます。
色だけで遮光率や防風性能を判断する
白、青、黒などの色には一定の傾向がありますが、実際の性能は目合い、糸の太さ、編み方などでも変わります。色名だけではなく、商品ごとの表示を確認してください。
防風ネットだけで台風対策が完了したと思う
防風ネットは風を弱める資材ですが、台風被害を完全に防ぐものではありません。
ハウスや果樹棚では、施設本体の補強、被覆材の点検、排水対策、枝の誘引なども必要です。
防風ネットを購入する前のチェック項目
- 何を風から守りたいか
- 作物・樹木・棚の最上部は何mか
- 通常の防風が目的か
- 砂・土ぼこり・雪も抑えたいか
- 4mm目と2mm目のどちらが適しているか
- 必要なネット幅は何mか
- 守りたい範囲の横幅は何mか
- 圃場の奥行きは何mか
- 主な風向はどちらか
- ネットの端から風が回り込まないか
- 地面との隙間を小さくできるか
- 支柱の高さと強度は足りるか
- 支柱を設置できる地盤か
- ロープやアンカーを固定できるか
- 商品の遮光率は栽培条件に合っているか
- 周囲の景観やネットの見えやすさに問題はないか
- 常設するか、季節使用にするか
- 強風時に取り外す運用が可能か
防風ネットの選び方に関するよくある質問
2mm目と4mm目はどちらがおすすめですか?
通常の農作物の防風対策では、4mm目を基準にします。
砂、土ぼこり、雪なども抑えたい場合は、2mm目を候補にします。2mm目は風圧を受けやすいため、支柱や固定方法の強化が必要です。
野菜には何m幅がおすすめですか?
キャベツやレタスなどの低い野菜では幅1m、トマトやキュウリなど支柱を使う背の高い野菜では幅2mが基本的な候補です。
ただし、品種や仕立て方によって高さが異なるため、収穫期の高さを確認してください。
果樹には何m幅がおすすめですか?
実際の樹高を基準に選びます。
- 樹高2~3m程度:3m幅を候補
- 樹高3~4m程度:4m幅を候補
- 樹高4m以上:防風施設として個別に検討
同じ樹種でも樹齢や剪定方法によって高さが異なるため、作物名だけで判断しないようにしてください。
防風ネットの効果は何m先まで続きますか?
基本的な目安は、風下側でネット高さの8~10倍程度です。
高さ2mなら約16~20m、高さ3mなら約24~30mが目安になります。ただし、地形、風向、目合い、設置方法などによって効果は変わります。
防風ネットは作物のすぐ近くに設置してもよいですか?
作業スペース、日当たり、ネットの倒壊、枝葉との接触などを考慮する必要があります。
果樹園では、農機の通路、剪定、収穫作業などに必要な距離を確保してください。
白と黒ではどちらがおすすめですか?
日照や明るさを重視する場合は、白色などの淡い色が候補になります。
防風と同時に、ある程度の日よけも行いたい場合は、黒色などの濃い色を候補にできます。ただし、実際の遮光率は色だけで決まらないため、商品ごとの表示を確認してください。
防虫ネットを防風ネットとして使えますか?
防虫ネットにも風を弱める作用はありますが、目合いが細かいため、大きな風圧を受ける可能性があります。
防虫ネットは害虫侵入防止を主目的に設計されているため、常設の防風施設として使用する場合は、強度やメーカーの用途表示を確認してください。
遮光ネットを防風ネットとして使えますか?
遮光ネットも風を受けますが、防風用途としての性能や強度が保証されているとは限りません。
防風を主目的とする場合は、防風用途が明記された商品を選びましょう。
台風のときも張ったままで大丈夫ですか?
商品、支柱、基礎、風の強さ、設置方法によって異なります。
簡易的に設置したネットは、強風時に取り外した方が安全な場合があります。商品の使用条件を確認し、台風前にはネット、支柱、ロープ、固定具、アンカーを点検してください。
まとめ|防風ネットは目合いだけでなく高さと設置方法で選ぶ
防風ネットは、目合いだけでなく、作物の高さ、圃場の広さ、風向、支柱の強度を合わせて選びます。
- 守りたい作物や施設を確認する
- 作物・樹木・棚の最上部を測る
- 通常の防風なら4mm目を基準にする
- 砂・土ぼこりも抑えたい場合は2mm目を検討する
- 作物より低くならないネット幅を選ぶ
- 圃場の奥行きとネット高さから設置列数を考える
- 支柱・ロープ・アンカーまで含めて選ぶ
- 色は商品ごとの遮光率を確認して選ぶ
迷った場合の基準
- キャベツ・レタスなど:4mm目・幅1m
- トマト・キュウリなど:4mm目・幅2m
- 棚栽培のブドウ・ナシ:4mm目・棚面以上の幅
- 樹高2~3mの果樹:4mm目・幅3m
- 樹高3~4mの果樹:4mm目・幅4m
- 砂・土ぼこりも抑えたい場合:同じ幅の2mm目を検討
- 樹高4mを超える果樹や大型施設:防風施設として個別に検討
防風だけが目的で迷った場合は、まず4mm目を基準にし、実際の作物、樹木、棚の最上部より低くならない幅を選びましょう。
用途に合った防風ネットを選ぶ
通常の防風対策は4mm目、砂・土ぼこり対策も重視する場合は2mm目が基準です。各商品一覧ページで、設置する高さに合う幅を選んでください。
通常の防風対策
野菜、果樹、棚栽培、ハウス周辺など、一般的な防風用途の商品を探せます。
防風+砂・土ぼこり対策
砂地や海岸沿いなど、飛散物対策も重視したい場合の商品を探せます。
参考資料
本記事では、農林水産省・農研機構などの資料を参考にしています。作物別のネット幅は、公的資料に示された目合いの用途や防風効果の考え方を、購入時の実用的な目安として整理したものです。
















