刈払機のキャブレター分解清掃(O/H)をやってみよう!

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まいどです!アグリズクリスです!

ここ最近グッと暑くなってきましたね!

夏は好きなんですが、この暑さは堪えますね……。ちょっと家庭菜園の野菜の世話をしただけで汗だくです。

さてさて、今回はキャブレターの分解清掃についてのお話です。

今までこの手の記事はいろんな方面から怒られそうで書くのをためらってたんですが(笑)

意外とネット上でキャブ清掃の記事を見かけるので書いても大丈夫かなっと。

小型農機(チェンソーや刈払機、ブロワー)の修理で一番多いのはキャブレターの分解清掃です。カッコつけて言うとキャブレターO/H(オーバーホール)ですね。

綺麗に燃料を抜いて保管してても内部の部品は徐々に劣化しますし、燃料フィルターが悪いとキャブの中にゴミが溜まったりと、2サイクルエンジン機器を使用していく中で絶対に避けては通れない修理です。

もちろんプロの農機店さんや林機店さんで修理してもらうのが一番良いです。でもお店が休みの時や、そもそもお近くにそういったメンテナンスショップがない場合には困りますよね。

ということで、今回は刈払機のキャブレター分解清掃の手順を記事にしてみました。

それでは早速いってみましょう!

準備するもの

 

・プラスドライバー

・パーツクリーナー

・キャブレタークリーナー

これだけです。ホームセンターに行けば1,000円くらいで全部揃うのではないでしょうか。

※キャブレターの分解清掃だけに必要な最低限です。機械からキャブレターを外すには他にもラジオペンチや機種に応じてほかの工具が必要です。

とりあえず分解!

今回は一般的な刈払機のロータリーバルブ式と呼ばれるタイプのキャブレターの分解清掃ですが、基本的な流れはチェンソー等のバタフライ式でも同じです。

ということでなには無くともまずは分解!

ロータリー式は殆どの場合、キャブレター下部のプライミングポンプを保持している小さなネジ4本を外せば分解出来ます。

まずはネジを緩めて外しましょう。

 

ほらほら、この通りパッカーンですよ、パッカーン!

あ、この時部品の組み付け順序を忘れず記憶しておいてくださいね。上手く清掃できても組み付け順序を間違えると機械が動かなくなりますから。

 

分解した状態だとキャブレターの肝心要の部品、ダイヤフラムが張り付いたままなので、破らないようにそーっと優しくキャブレターから剥がします。

←こちらはメタリングダイヤフラムですね。金属の部品がダイヤフラムについています。

紙で出来た「ガスケット」と言うパッキンの役目を果たす部品がキャブレターのボディやダイヤフラムに張り付いている場合がありますが、そのときは無理にはがさなくても大丈夫です。

ホントは剥がしたほうがいいんですが、ガスケットが破れるとそこから空気を吸ったり燃料が漏れたりして使えなくなるので無理は禁物です。

 

もう一枚の歪な形のダイヤフラムがポンプダイヤフラムです。こちらには金属部品はついていません。

2枚めの画像に見える黒い枠のような部品がポンプガスケットです。

こちらもキャブのボディに張り付いて取れない事が多いですが、無理に剥がさなくて大丈夫です。

はい、分解できました。(写真を取るタイミングを間違えてポンプダイヤフラムが剥がせて無いのはご愛嬌という事で……)

正式な分解清掃であればここからさらにバラバラに分解するんですが、これ以上分解すると組み上げ時や試運転時に調整が必要になるので、今回は簡易的な分解清掃にとどめておきます。

さてさて、次はいよいよクリーナーを使って清掃です。

穴という穴にキャブクリを!

なんだかちょっといやらしい感じの見出しになりました////

意図してそういう表現にしたわけでは無くてですね……ほんとにそういう工程なんです(笑)

キャブレター詰まりって、要するにキャブレター内部の燃料の通り道がゴミや劣化した燃料で詰まってしまう故障なので、燃料経路を綺麗にすれば解決するんですよ。

キャブレターの中には小さな穴が沢山空いていて、その穴を燃料が通って行きます。ここに固着した燃料やゴミを洗い流すため、穴という穴にキャブレタークリーナーを吹き込んでい行きましょう!

僕のおすすめは断然ムースタイプのキャブレタークリーナー! 噴射すると泡になって細かい隙間にもしっかり留まって汚れを落としてくれるので、洗い残しが少ないです。

部品一つひとつ丁寧にクリーナーを吹き込んでいきます。

キャブクリーナーは刺激が強いケミカルなのでお肌が弱い方は皮膚につかないよう注意してくださいね!

パーツクリーナーで洗い流そう!

全ての穴にキャブレタークリーナーが吹き込めたら、こんどは一番最初にクリーナーを吹き込んだ部品からパーツクリーナーで洗い流して行きます。

イメージとしては燃料経路に詰ったゴミや汚れを押し出す感じで、ノズルの先端を穴に押し当ててブシューーっと勢い良く吹き付けて行きます。

穴の他にもキャブレターの内部にゴミが残ってしまわないよう、部品全体を洗い流しておきましょう。

ここでしっかりゴミを流しておかないとせっかく組み上げてもまたゴミが詰まってしまいますからね!

エアーコンプレッサーをお持ちでしたらエアブローしちゃってもOKです。

 

 

元通り組み立てよう!

パーツクリーナーで綺麗に洗い流したら、いよいよ組み立てです。

覚えてますか!? 組み付け順序!

↑この並び順ですよ!

では行きますよ~!!

まずこうして!!(キャブのチョボ2つにポンプガスケットとポンプダイヤフラムの穴をあわせて乗せてください)

次はこう!(その上から燃料パイプが付いている部品を乗せ、キャブのチョボに合せてガスケットを乗せます)

そんでもってこうして……(ガスケットの上からメタリングダイヤフラムを乗せます)

あーして……(黒いプラ部品を上から乗せてます)

ここはこう!(プライミングポンプとプレートを乗せます)

締めて!(ネジを4点均等な力で締め込みます。下のペンチは撮影用なので関係無いです)

完成!(これで完成です)

 

軽微なキャブ詰まりなら今回紹介した方法で解消できちゃいます。

あとね、お客様が自分でキャブの分解清掃にチャレンジして燃料を調整しているデリケートな部分まで分解してしまい、元に戻せなかったり、調整ミスでエンジンを焼き付かせてしまったりするケースがたまにあります。

キャブの調整をご自身で行える方以外は、基本的には今回やった以上の分解はしない方が良いです。

せっかくセルフメンテナンスで修理代を節約しようとして、逆に修理代が嵩んでしまうのはもったいないですから。

今回は分解清掃のみですが、ダイヤフラムが硬化してダメになっている場合には、予めメタリングダイヤフラムとポンプダイヤフラム、それぞれのガスケットの4点を準備しておいて、組立時に新品と交換すればOKです。

それでも治らなければ僕ら農機店や林機店にお任せください。

 

あとがき

キャブの分解清掃ひとつとっても、ブログでは書ききれないノウハウが沢山あります。

キャブレターって高価な部品ですし、一歩間違えればエンジンの故障にも直結する部品なので、本音を言えばセルフメンテナンスはおすすめしません。

修理に関するノウハウを公開することに躊躇もします。(言い方は悪いですが、僕らメンテナンス店の飯の種ですし。この記事を見て挑戦して失敗しても責任持てないですし。)

それでもこうやって記事にしたのは、その方が機械の故障に直面した時にユーザー様の選択肢が増えるからです。

急いで修理して欲しいのに行きつけのメンテナンス店がお休みだったり、最寄りのお店がすごく遠かったり。修理対応をしてくれないネットショップや、メンテナンス体制を持たない量販店で購入した機械が壊れて困っていたり。

そんな時に「自分で修理する」と言う選択肢があり、なおかつそれで機械が直りお客様の作業が円滑に進むのであればそれはそれで良いかな、と。

だって嫌じゃないですか(笑)お客様の作業を楽にするための農機具が逆に足を引っ張っちゃうのは。

なので、今回のような簡単なメンテナンスはちらほら記事にしていければと思います。(実際に修理場に行って写真を撮影して記事にしているので、あまり頻繁には書けないですが……。)

と、いうわけで。第一回メンテナンス記事はキャブレターの分解清掃(簡易版)でした。

 

4サイクルエンジンのキャブレター分解清掃も解説してます。

記事はこちらからどうぞ!

4サイクルエンジン搭載農機具のキャブレター分解清掃の方法を大公開!

 

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