アグリズでは、農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK]を運営しています。
今回アグリピックの記事を抜粋して、小松菜栽培ガイドをお伝えします。

第1章:小松菜栽培の基礎知識
栽培スケジュール
小松菜はほぼ1年中栽培可能な万能野菜です。

春まき栽培
- 種まき:3~4月
- 収穫:種まきから30~40日後
夏まき栽培
- 種まき:5~8月
- 収穫:種まきから30日後
秋まき栽培(最もおすすめ)
- 種まき:9~10月
- 収穫:種まきから50~80日後
詳しい栽培方法は「コマツナ(小松菜)|基本の育て方と本格的な栽培のコツ」でプロが解説しています。
初心者の方は「【家庭菜園のプロ監修】コマツナ(小松菜)の栽培方法」も必読です。
小松菜の特徴を知ろう

小松菜の生育適温は15~25℃。発芽適温は20~25℃ですが、5~35℃の環境下でも発芽可能な強健な野菜です。低温期の栽培では葉柄・葉肉ともに厚くしっかりと育ち、葉の色も濃くなります。一方、高温期の栽培では葉柄が細くなり、葉の色も薄くなる傾向があります。
耐寒性に優れているため、秋に種をまいて育てた方が大株に育ちやすく、甘みも増すのが特徴です。
第2章:栽培準備と土づくり
畑づくりのポイント
小松菜栽培には、水はけと通気性の良い土が必要です。
畝の設計

- A:畝の幅/70cm
- B:畝の高さ/10cm
- C:種まきの間隔/15cm
- D:条間/10~15cm(平行に5条)
- ※筋まきの場合は、3cm間隔で平行に5条
福田流土作りの記事はこちら
土づくりのポイント
理想的な土づくりは、下記の記事を参照ください。
【菜園のプロ伝授】家庭菜園のための土づくりの基本|自然農法のように畑で野菜を育てよう!
第3章:種まき・育苗から植え付けまで
| コマツナ品種 | 主な品種 |
|---|---|
| 早生種 | 春のセンバツ、なかまちなど |
| 中生・晩生種 | いなむら、夏の甲子園など |
種まきの方法

小松菜は「点まき」と「筋まき」の2つの方法があります。
点まき
- 15cm間隔で、1箇所につき3~4粒まく
- 穴開きマルチの使用がおすすめ
- 覆土は5mm程度に薄く
筋まき
- 深さ1cmの溝を作る
- 3cm間隔で種をまく
- 5mm程度の覆土をして軽く押さえる
発芽のコツ
発芽適温は20~25℃。この温度では2~3日で発芽しますが、それ以外の環境では2~3倍の日数がかかります。小松菜の種は好光性種子のため、土を被せすぎないことがポイントです。
間引きのタイミング
生長に合わせて2回の間引きを行います。
1回目の間引き
- 本葉1~2枚のころに3~4cm間隔に間引く
- 生育の悪い芽を優先的に抜く
2回目の間引き
- 本葉3~4枚になったら5~6cm間隔に調整
- 残す株の根を傷めないよう慎重に作業
間引いた小松菜はベビーリーフとして、サラダやみそ汁の具材として美味しくいただけます。
第4章:栽培管理のポイント

水管理の基本
適切な水管理が小松菜栽培の成功の鍵を握ります。
水やりの基本ルール
- 基本的に午前中に水やりを行う
- 暑い時期は日中を避けて早朝に実施
- 生育後期は土壌を乾き気味に管理
注意点
生育後期の多湿は軟弱徒長や病害虫の原因となります。灌水にムラがあると生育のムラにもつながるため、均一な水やりを心がけましょう。
肥料管理
小松菜は基本的に元肥のみで栽培可能です。
肥料の目安(10平米あたり)
- 窒素:150~200g
- リン酸:100~150g
- カリ:100~150g
生育不良の場合は液肥を使用して対応します。肥料の与えすぎはえぐ味の原因となり、害虫も寄せやすくなるため注意が必要です。
第5章:プランター栽培の完全ガイド
ベランダでも小松菜が育てられます!「【プランター野菜栽培家監修】コマツナの育て方」で詳しく紹介されています。
プランター栽培のポイント

必要な道具
- プランターサイズ:幅65×奥行20×深さ20cm程度で10株栽培可能
- 野菜用培養土(元肥入り)
- 大粒赤玉土(鉢底石として)
- 防虫ネット
プランター栽培の手順
- 土のセット
- プランターの底に赤玉土を3~5cm敷く
- 培養土をプランターの縁から5cm下まで入れる
- 種まき
- 深さ1cmの溝を2列作る(列間10cm)
- 1cm間隔で種を1粒ずつまく
- 薄く覆土して軽く押さえる
- 管理のコツ
- 表土が乾いたらたっぷり水やり
- 新しい培養土を使えば追肥不要
- 背丈15cmで収穫すると柔らかくみずみずしい
時期をずらした栽培テクニック
10日~2週間ずらして種まきすると、長期間新鮮な小松菜を収穫できます。スムージーや野菜ジュース用に毎日少しずつ収穫したい方におすすめの方法です。
第6章:病害虫対策の徹底ガイド
主な病気と対策

多湿状態で病気になりやすい傾向があるため、予防が重要です。
要注意の病気
- 萎黄病
- 症状:下葉から黄変し株全体に広がる
- 対策:連作を避け、排水性を改善
関連記事はこちら
- べと病
- 症状:葉に淡黄色の多角形の病斑
- 対策:密植を避け、風通しを良くする
関連記事はこちら
- 白さび病
- 症状:葉裏に白色の斑点
- 対策:高湿度を避け、適切な株間を保つ
関連記事はこちら

害虫対策
主な害虫
- コナガ
- アブラナ科を好む害虫
- 体をくねらせて後退りする特徴的な動き
関連記事はこちら
- カブラハバチ
- 黒色の幼虫が柔らかい葉を食害
- 集団で発生することが多い
関連記事はこちら
- アオムシ(モンシロチョウの幼虫)
- 葉を穴だらけにする
- 春から夏に多く発生
関連記事はこちら
- アブラムシ
- 新芽や茎に群がる
- ウイルス病を媒介する恐れ
対策はこちら
防虫ネットは必須アイテム
防虫ネットは種まき直後に設置するのが鉄則です。ネットがめくれたり隙間ができないよう、洗濯ばさみなどでしっかり固定しましょう。

第7章:収穫と保存方法

収穫のタイミング
「【動画解説付き】小松菜の収穫時期と方法」で収穫方法を動画で確認できます。
収穫の目安
- 葉の長さが20~25cmになったら収穫適期
- 春・夏まき:種まきから30~40日
- 秋まき:50~80日
- それ以上置くと「大松菜」になり食味が落ちる
収穫方法
- 根ごと引き抜く
- 包丁で根の部分を切り取る
- 外葉から順次収穫することも可能
第8章:関連情報とお役立ちリンク
同じアブラナ科野菜の栽培
「チンゲンサイの基本の育て方」も参考になります。アブラナ科野菜は連作障害に注意が必要なので、栽培計画を立てる際は輪作を心がけましょう。
まとめ:小松菜栽培成功のポイント
小松菜栽培を成功させるための重要ポイントをおさらいしましょう。
✓ 防虫ネットは種まき直後に設置する ✓ 水やりは表土が乾いたらたっぷりと ✓ 収穫は早めに(葉長20cm程度) ✓ 秋まきが最も作りやすい ✓ プランター栽培なら年中新鮮な小松菜が楽しめる
栄養満点でクセがなく、料理の幅も広い小松菜。初心者でも育てやすいこの野菜で、家庭菜園デビューしてみませんか?
ぜひ、各記事のリンクから詳細情報をチェックして、今年こそ栄養満点の小松菜づくりに挑戦してみてください!
農業機械・資材の最新情報、オススメ商品、
メンテナンスコラムなど情報盛りだくさん!
Twitter で農機具・農業資材のアグリズ(agriz)をフォローしよう!
Follow @agriz_shop
